ビジネスの場ではマナーを重視する人が多いです。
マナーの中でも特に使い方が難しいものに「敬語」が挙げられます。
今回は、相手に対して依頼やお願いをするときによく使われる「お忙しいことと存じますが・お忙しいところとは存じますが・お忙しいところお手数をおかけしますが」について、正しい敬語なのか?違う言い方はあるのか?を確認しましょう。
お忙しいことと存じますが~は正しい敬語か?言い換えは?例文付き
結論からいいますと「お忙しいことと存じますが~」は、正しい敬語です。会話の中にも、メールでのやり取りでもビジネスではよく使われる言葉です。
「お忙しいことと存じますが」のあとには、依頼やお願いの言葉が続きます。
簡単に言うと、「忙しいとは思うけど、○○してね。」といった意味合いです。
例文
部長「企画書の提出期限は明日ですが、大丈夫ですか?」
返答「はい、提出させていただきました。お忙しいことと存じますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。」
言い換え
「お忙しいことと存じますが」は、
・「ご多忙のことと存じますが」
・「まことに恐れ入りますが」
と言い換えることができます。
お忙しいところとは存じますが~は正しい敬語か?言い換えは?例文付き
結論からいいますと「お忙しいところとは存じますが」は正しい敬語です。
前項でも使われていた「存じますが」は、動詞の終止形にすると「存じる」で、「思う・知っている」の謙譲語です。
「お忙しいところとは存じますが」の「存じますが」は、「思う」の意味で使われています。
例えば、「その方でしたら、存じております。」だと、「知っている」の意味になります。もっと丁寧な言い方が必要なら、「存じ上げております」とすると、良いでしょう。
例文
取引先「招待券が1枚足りませんでした。」
返 答「大変申し訳ございません。お忙しいところとは存じますが、その旨、鈴木さんにお伝えいただけますか?」
言い換え
「お忙しいところとは存じますが」は、「お手数をおかけしますが」「お忙しいところ、申し訳ございませんが」と言い換えることができます。
お忙しいところお手数をおかけしますが~は正しい敬語か?言い換えは?例文付き
結論からいいますと、「お忙しいところお手数をおかけしますが」は、正しい敬語です。
「おいそがしいところ、おてすうをおかけしますが」と読みます。
上記の「お忙しいとは存じますが」「お忙しいことと存じますが」と同じように使います。
「存じますが」が、「思いますが」であるのに対して、「お手数をおかけしますが」は、相手の労力に対する敬意が込められている分、丁寧な言い方と言えるでしょう。
例文
弊 社「先日納品していただきました商品が一つ壊れていました。お忙しいところお手数をおかけしますが、至急ご送付いただけますか?」
取引先「大変申し訳ございませんでした。大至急、送らせていただきます。」
上記の例文のように、例え先方に非があるとしても、ぞんざいで横柄な態度を取ってはいけません。ビジネスのシーンでは、相手に対する気遣いや敬意を意識しましょう。
言い換え
「お忙しいところお手数をおかけしますが」は
「お手間を取らせますが」
「ご迷惑とは存じますが」
と言い換えることができます。
まとめ お忙しいところとは存じますが~・お忙しいところお手数をおかけしますが~、は正しい敬語か?言い換えは?
今回は「お忙しい」から始まるクッション言葉と、それにつながる言葉を確認しました。敬語には、クッション言葉と言って表現を和らげるフレーズがたくさんあります。例えば、「失礼ですが」や、「勝手を申しまして申し訳ないのですが」という言葉です。
いずれの言葉も、自分の要求を直接伝えることを避けて、婉曲な表現を取ります。このように、敬語は人間関係の中で、争いを避けて物事をスムーズに進める潤滑油の役割があるのです。
クッション言葉は、動詞や名詞のように言葉自体に意味を持つというよりは、直接的な表現を避けるために用いられ、クッションの役割を果たすため、応用の利く使い方が多いです。それぞれの場面に応じて、失礼のないように使い分けましょう。