ビジネスの場において、マナーを重視する人はとても多いです。
ビジネスマナーの中でも、とくに使い方が難しいものに「敬語」が挙げられます。
今回は「ご検討ください・ご検討願います・ご検討くださいますようお願い申し上げます」は正しい敬語なのか？言い換えは？について説明していきます。
ビジネスメールなどの参考にしてみてくださいね。
「ご検討ください」は正しい敬語？言い換えは？
それでは「ご検討ください」が正しい敬語か？について確認していきます。
結論として「ご検討ください」は正しい敬語として、使うことができます。
「ご(お)～ください」は「～してください」という意味の尊敬語の型です。
相手に検討(意味：よく調べ考える)を依頼する際に使います。
「ください」は命令形で強い言い方のため、目上や社外の方には使用を避けたほうが良いです。使うのは同僚までにとどめましょう。
「ください」を文字で書く際ですが、ここでは「～してください」という補助動詞として用いているため、ひらがな表記をします。
「下さい」と漢字表記するのは「(物などを)欲しい」という意味で使う場合です。
また「ご検討してください」にしてしまうと「ご(お)～する」という謙譲語の型になり、この場合検討するのは相手ですので、間違った敬語になります。
誤用は相手に失礼にあたるため、注意が必要です。
例文
「お手数をおかけしますが、改善案についてご検討ください」
「もしよろしければ、予算の見直しをご検討ください」
相手に依頼をする際は相手の状況などに合わせて「ご面倒をおかけしますが」や「ご多忙中とは存じますが」など、クッション言葉を使いましょう。
相手との認識の相違がないよう「何を・いつまでに」検討するのかも、必要に応じて伝えてください。
言い換え
「ご検討くださいませ」
「ませ」は丁寧語「ます」の命令形で、丁寧さと柔らかいニュアンスを与えます。
柔らかくお願いをする際に使いますが、続けて使うとわざとらしくなりますので、適度に使いましょう。
「ご検討願います」は正しい敬語？言い換えは？
さらには「ご検討願います」が正しい敬語か？について確認していきます。
結論からいいますと「ご検討願います」も正しい敬語です。
「ご(お)～願います」は「～をお願いします」という意味の謙譲語の型です。
同僚や親しい上司などには使うことができますが、「願います」という言い方はやや謙虚さに欠けるため、目上や社外の方には「ご検討のほどよろしくお願いいたします」などどしたほうが良いでしょう。
例文
「ご面倒をおかけしますが、次回の日程についてご検討願います」
「ご多忙の中恐縮ですが、来週までにご検討願います」
言い換え
「ご検討願えますでしょうか」
「ご検討願えませんでしょうか」
疑問形にすることで判断を相手に委ねて、やや丁寧な言い方になります。
「願えません」という否定形だとやや謙虚なニュアンスはありますが「願えます」と丁寧さは変わりませんので、好みやその場に合わせて使うと良いでしょう。
「ご検討くださいますようお願い申し上げます」は正しい敬語？言い換えは？
最後に「ご検討くださいますようお願い申し上げます」は正しい敬語か？をチェックしていきます。
結論からいいますと「ご検討くださいますようお願い申し上げます」も正しい敬語として使用可能です。
「ご(お)～くださる(い)」は「～してくれる」という意味の尊敬語の型、「お(ご)～申し上げる」は「～を言う」の謙譲語の型です。
「検討してくれるようお願いを言います」という意味でとても丁寧な言い方ですので、目上や社外の方にも問題なく使うことができます。
硬い言い方のため普段のビジネスシーンの口語では使わず、かしこまった場面のスピーチや、メール・手紙などで使います。
例文
「上記の件ご検討くださいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます」
「誠に恐れ入りますが、ご検討くださいますようお願い申し上げます」
「何卒(なにとぞ)」は「どうか・どうぞ」という意味で、強い要望を相手に伝えるときに使います。
言い換え
「ご検討いただきますようお願い申し上げます」
「検討してもらうよう～」という自分を主語にした、謙譲語の言い方です。
「検討くださいますよう～」と丁寧さは変わりませんので、使いやすいほうを使って問題はありません。
まとめ 「ご検討願います・ご検討くださいますようお願い申し上げます」は正しい敬語？言い換えは？【ビジネスメールなど】
ここではビジネスメールなどで使用される「ご検討ください・ご検討願います・ご検討くださいますようお願い申し上げます」は正しい敬語？言い換えは？について説明してきました。
敬語は扱いが難しいため、この機会に覚えておくといいです。
様々な敬語を身に着け、ビジネスメール等で活用していきましょう。
