この記事では、エクセルで編集できない(ロックがかかっている)原因と解除方法について解説します。また、編集できないようにする方法についても併せて紹介します。
エクセルファイルが編集できない原因としては、主に
・他の使用者がファイルを編集している(あるいはそのように誤認識されている)
・無断で編集できないよう、パスワードロックが設定されている
が挙げられます。
このような場合の対処法について、サンプルを用いて見ていきましょう。
エクセルで編集できない原因と解除(ロック解除)方法1
サーバー上で複数のユーザーとファイルを共有している場合、誰かがファイルを編集していると、「編集のためロックされています。使用者は〇〇です。」というメッセージが出ます。
このような場合、編集している人がファイルを閉じることで、別の人が編集できるようになります。
しかし、誰もファイルを開いていないにもかかわらず、同様のメッセージが出てファイルを編集できない場合があります。何故、このようなエラーが起きるのでしょうか。
実は、ファイルを編集すると、同時に”~$(ファイル名)“という隠しファイルが作成されます。
この隠しファイルには、”現在〇〇がファイルを編集している”という情報が含まれています。何らかの理由でエクセルが正常に終了できなかった場合、この隠しファイルが残ったままになり、閉じた後も編集を続けていると認識されてしまいます。
このような場合には、隠しファイルを削除することで、編集できない状態を解除することができます。
具体的な手順を見ていきましょう。
まずファイルが保存されている場所を開きます。
上の「表示」タブを開いたら、右側にある「オプション」を開いてください。
フォルダーオプションのウィンドウが出てきたら更に「表示」タブを開き、下の方にある「保護されたオペレーションシステムファイルを表示しない(推奨)」のチェックを外します。
このチェックを外すと、システムの起動・実行に重要なファイルも表示されてしまうため、警告文が出ます。そうしたファイルを編集・修正しない限りは問題ないので、「はい」をクリックしてください。
チェックが外れたら、右下の適用ボタンを押してフォルダーオプションを閉じます。エクスプローラーの「表示」タブに戻り、右の方にある「隠しファイル」にチェックを入れると、普段は隠されているファイルが表示されます。
この“~$Book1”という隠しファイルが、”○○がBook1を編集している”という情報を持っています。
“~$Book1”を削除してBook1ファイルを開きなおすことで、編集ができるようになります。
削除した後は再びフォルダーオプションを開き、先程チェックを外した「保護されたオペレーティングシステムファイルを表示しない(推奨)」を元に戻しておきましょう。
エクセルで編集できない原因と解除(ロック解除)方法2
ファイルを共有する際、内容を無断で変更できないように、作成者がパスワードを設定してロックをかけている場合があります。
ロックがかかっている状態としては
・ファイルを開く時にパスワードを要求される
・一部のワークシートが編集できない
・一部のセルが編集できない
といった例があります。
いずれも解除するためには、設定されたパスワードが必要です。
パスワードを忘れた場合、後からファイル上で確認する方法はありません。必ずパスワードは控えておくようにしましょう。
今回はパスワードを共有していることを前提として、各ロックを解除する方法を紹介します。
ファイルを開く時にパスワードを要求される
「ファイル」タブ→「情報」→「ブックの保護」をクリックします。
表示される保護設定一覧の中で、背景が灰色になっているものが、現在ファイルに適用されている設定です。
「パスワードを使用して暗号化」を選ぶと、このファイルを開くためのパスワードを設定する欄があります。この欄を空白にすることで、次回のファイル起動時からパスワードの入力が不要になります。
暗号化が解除されると、赤矢印部分のアイコンの背景が白くなります。
一部のワークシートが編集できない
編集しようとして以下のメッセージが出る場合は、ワークシートに個別でロック設定がされています。
「ファイル」タブ→「情報」→「ブックの保護」から、「現在のシートの保護」をクリックします。
パスワードが設定されている場合は、パスワード入力が求められます。
保護が解除されると、赤矢印部分のアイコンの背景が白くなります。
一部のセルが編集できない
この場合は”一部のセルにロックがかかっている”状態ではなく、”一部のセルだけ編集できるようにして、ワークシートをロックしている”状態です。
前述した「現在のシートの保護」を解除することで、解除することができます
なお、シート保護のパスワードを万が一忘れてしまった場合の処理方法として強制解除する方法はこちらで解説していますので、併せてチェックしてみてください♪
ブックの方のパスワードの強制解除方法はこちらで解説しています。
エクセルで編集できないようにする(変更できないようにする)方法【ロックの仕方】
ロックを解除した時と同様に、「ファイル」タブ→「情報」→「ブックの保護」の順にクリックします。
ここでは、よく使用される4つの方法について簡単に紹介します。
常に読み取り専用で開く
他の人がファイルを確認する時に誤って編集してしまうことがないよう、ファイルを開く際に読み取り専用で開くか、編集できる状態で開くかを確認するポップアップが表示されます。
編集する際にパスワードの入力は必要ありません。ロックをかけるというよりは、誤操作を減らすためのワンクッションを追加する設定です。
パスワードを使用して暗号化
クリックすると、ファイルを開く際に必要なパスワードを設定することができます。
既存のシートの保護
ファイル全体ではなく、特定のワークシートの内容を編集できないように設定することができます。
クリックすると、詳細設定用のウィンドウが表示されます。
一覧の中から、ロックしたい機能のチェックを外してOKを押してください。
この時に上部のパスワード欄を空欄にすると、パスワードなしで設定を解除することができます。
また、事前にワークシート内の一部のセルをロックの対象から除外することもできます。
除外したいセルを選択して右クリックし、「セルの書式設定」を開きます。
「保護」タブにある「ロック」横のチェックを外すことで、ワークシートを保護した状態でも、選択したセルの内容を編集することができます。
この場合だと、日付から支払方法までの項目は自由に入力ができますが、支出合計の欄は編集ができません。
ブック構成の保護
ワークシートの新規作成や、既存のワークシートの並び替えができないように設定することができます。
パスワードの設定は任意です。
まとめ エクセルで編集できない原因と解除(ロック解除)方法、編集できないようにする方法
この記事では、エクセルで編集ができない(ロックがかかっている)原因と解除方法、意図的に編集できないようにする方法について解説しました。
エクセルが編集できない原因としては、「他の使用者がファイルを編集している(あるいはそのように誤認識されている)」「パスワードロックが設定されている」が考えられます。
エクセルでのさまざまな処理を理解し、業務に役立てていきましょう。