この記事では「エクセルのxlsxとxlsとxlsmとxlsbの違いや使い分け」について、解説していきます。
いずれも「xls」で始まる拡張子のファイルであることから、エクセルに関係していることは大多数の人は想像がつくはずです。
しかし、その違いが何かについて、知っている人はあまり多くないようで、複数の拡張子のエクセルが飛び交っている職場もよく見かけます。
今回は、下記の拡張子の違いと使い分けについて解説します。
・エクセルのxlsxとxlsの違いと使い分け
・エクセルのxlsxとxlsmの違いと使い分け
・エクセルのxlsxとxlsbの違いと使い分け
それでは、順番に説明していきます。
なお、csvとの違いについてはこちらで解説していますので、併せてチェックしてみてください♪。
エクセルのxlsxとxlsの違いと使い分け【拡張子】
まずはエクセルの拡張子.xlsxと.xlsの違いと使い分けについて見ていきましょう。
xlsはOffice 2003以前で使用されていたデフォルトの拡張子であり、一方でxlsxはそれ以降のデフォルトの拡張子です。そのため結論としては、よほどのことがなければ(ほぼあり得ないですがPCの互換的にxlsしか使えないなど)のxlsxとして保存・使用しましょう。
xlsとxlsxの違いについて掘り下げていきます。
上述のxls形式のファイルも、2007以降のバージョンで使用することも可能ですが、現行のxlsxと比べるとファイルサイズが大きくなってしまいます。
下記例は1枚の空のシートのみを含む場合のxlsxとxlsのサイズの比較です。
通常、エクセルには何かデータが書かれているのが当然なので、この比較だけでは不十分です。
どのようなデータでも構わないですが、本例では2次関数「Y=X2」を30行分入力し、保存してみます。
再びサイズを比較します。
xlsの方がよりサイズが大きくなりやすいのがわかります。
データ量が増えるほど、この差はそれに応じて広がります。
ここまでは「ファイルサイズの肥大化」という問題を取り上げてきましたが、それ以外にもxls形式のファイルでは
・動作が不安定
・処理が遅い
といったことが現行のxlsxよりも発生しやすくなります。これは最新のエクセルではxlsxに適した仕様になっているためですね。
改めまして結論としては、新規でファイルを作成する際はよほど特別な事情がない限り、xlsxを使用すべきといえます。
また、古い時代から使用されているファイルについても、xlsxに切り替えられないか、検討すべきでしょう。
エクセルにてフォルダ内の拡張子を一括変更する方法(xlsとxlsxなど)はこちら
で解説していますので、併せてチェックしてみてくださいね。
エクセルのxlsxとxlsmの違いと使い分け
前章でOffice 2003→2007へバージョンアップした際にxls→xlsxへ切り替えたお話をさせていただきましたが、その際にマクロが実装できるブックの拡張子として「xlsm」が新設されました。
xlsxとxlsmの違いは、上述のよう
・xlsm:マクロが有効
・xlsx:マクロが無効
という点にあります。そのため、マクロを保存したいのであれば必ずxlsm形式に変換しましょう。語尾の「m」はマクロ(macro)の頭文字といえます。
xlsx形式のエクセルにマクロが実装された状態で保存しようとすると、下記例に示すメッセージが表示されます。
ここで「はい」を選んでしまった場合、マクロが保存されません。
なお、xlsm形式にしたとしても、マクロを実装しない状態で使用することは可能です。データの入力、ファイル保存といった基本操作はマクロの有無に関係なく機能するためですね。
結論として、マクロを使用される可能性が全くない場合はxlsxとxlsmのどちら形式で保存しても構わないです。
ただし、マクロはセキュリティリスクとみなされるケースもあるので、最終的には所属する団体の規定・規則に基づくようにしましょう。
勿論、マクロを使用することが確定しているのであればxlsm以外にありません。
エクセルのxlsxとxlsbの違いと使い分け
続いてxlsxとxslbの違いと使い分けと見ていきます。
まずxlsbはOffice 2007以降で新設されたバイナリー形式のファイルです。ただ、サイズが小さくなるというメリット以上のデメリットが大きいため、xlsbでの保存は可能な限り避けましょう。
2003→2007に変わった際にファイルの内部構造をバイナリー→XMLに変更し、その際にxlsx及びxlsmが新設されました。
一方で念のため従来のバイナリー形式も残すという意味でxlsbが新設されました。
xlsbファイルの利点はファイルサイズを小さくできることにあります。
既出の2次関数「Y=X2」30行分で検証します。
保存後、サイズを確認するとxlsbの方が小さくなっているのがわかります。
しかし、利点はそれだけです。
かつて2000年代中盤にマクロを悪用したウイルスが作られ、その反省に基づき2007ではマクロが有効かどうかをはっきりさせることにしました。
xlsbを多用することは2007で行ったことを無にする行為だという声もあります。
今後もOfficeは3~4年に一度バージョンアップしていくものとみられますが、その際に新たな機能が追加されることがあります。
しかし、それらを利用できるのはxlsx、xlsmのみといったこともあり得ます。
このような理由より特別な事情がない限り、xlsbで作成するのは避けた方がいいでしょう。
まとめ エクセルのxlsxとxlsとxlsmとxlsbの違いや使い分け
この記事では「エクセルのxlsxとxlsとxlsmとxlsbの違いや使い分け」について解説しました。
身近に利用しているエクセルですが、掘り下げて書いているうちになかなかの長文となってしまいました。
エクセルにはまだまだ知らない世界が潜んでいるのでは、と日々感じております。