ビジネスの場ではマナーを重視する人が多いです。
マナーの中でも特に使い方が難しいのは「敬語」です。
ここでは、相手に対して自分の依頼や要求を伝えるときによく使われる「お忙しいところすみません・お忙しいとは思いますが〜」と、自分のために時間を割いてくれたときに感謝の気持を伝える「お忙しいにもかかわらず〜」について、正しい敬語か?言い換えは?について、確認しましょう。
お忙しいところすみません~は正しい敬語か?言い換えは?
それでは以下で「お忙しいところすみません」は正しい敬語か?について確認していきます。
結論として「お忙しいところすみません」は、敬語として正しいですが、目上の方などには使用を控えた方がいいです。
まず「すみません」や「ごめんなさい」は、使っても気にしない人は多いものの、ビジネスの場では好ましくありません。表現がフランクであることと、「すみません」には、いくつかの意味があり、どのようにも取れてしまうことが原因です。
敬語に敏感な目上の方がいる場合は、使用を控える方が無難ですね。
近しい人であれば、それほど気にしない場合が多いため、状況に応じて使い分けましょう。
なお「すみません」には、謝罪の意味もありますが、感謝や依頼の意味で用いられることもよくあります。
表記として「すみません」を「すいません」としないように注意するといいです。
例文
自分「お忙しいところすみません、お時間を頂いてよろしいでしょうか?」
親しい上司「はい、お昼までなら時間がありますよ。」
上記のような会話は、ビジネスシーンでよくみられます。目上の人に話しかけるときは、突然、要件だけを言わずに、時間があるかを確認してください。
ただ上述のよう敬語に厳しい目上の方の場合は、使わない方がいいです。
言い換え
「お忙しいところすみません」は、以下のように言い換えができます。
・お忙しいところ、申し訳ございません
・お忙しいところ、恐れ入ります
「お忙しいところすみません」よりも、かしこまった言い方ですね。
先輩など比較的親しい間柄なら「すみません」でもよいですが、取引先やお客様に話しかけるときは、「申し訳ございません」や「恐れ入ります」が適切です。
お忙しいとは思いますが~は正しい敬語か?言い換えは?
続いて、お忙しいとは思いますが~は正しい敬語か?について見ていきます。
結論として「お忙しいとは思いますが〜」は、正しい敬語です。
ただし「お忙しいとは思いますが〜」よりも、「お忙しいとは存じますが」のほうが、より丁寧ですので、相手との関係性により使い分けましょう。
例文
上司「明日、資料を山田くんに送っておくよ。」
返答「お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。」
話し相手が、社外の人である場合には、「思いますが」を「存じますが」としたほうが良いでしょう。
言い換え
「お忙しいとは思いますがか〜」は、
・「ご多忙とは思いますが〜」
・「お忙しいとは存じますが〜」
としても、同じ意味です。好みで使い分けてOKです。
お忙しいにもかかわらず~は正しい敬語か?言い換えは?
さらには、お忙しいにもかかわらず~は正しい敬語か?についても見ていきましょう。
結論からいいますと「お忙しいにもかかわらず~」は、正しい敬語です。
「お忙しいにもかかわらず」は、自分のために時間を割いて行動してくれたことに対する感謝の意を伝えるときのクッション言葉です。
ですので、このフレーズから始まる文章の締め言葉は、必然的に「ありがとうございます」や「ありがとうございました」となることが多いです。
例文
・お忙しいにもかかわらず、お越しいただきましてありがとうございます。
・お忙しいにもかかわらず、ご尽力いただきましてありがとうございます。
言い換え
「お忙しいにもかかわらず」は
・「ご多忙の折にもかかわらず」
・「ご多用にもかかわらず」
と言い換えることができます。
敬語に「お忙しい~」が付く場合の注意点
ここで敬語として「お忙しい」が付く際注意点が1つあります。
「忙」という漢字ですが、「忄」(りっしんべん)に亡くなると書いて忙しいです。りっしんべんは心を意味しています。
この「亡」という漢字は、おめでたい席では控えなくてはなりません。「亡」が、不吉な連想をさせるためです。「ご多用」としたほうが無難です。
最近は、忌み言葉についても寛容な解釈がたくさんありますから、絶対にダメとは言いませんが。「ご多忙」よりも「ご多用」どちらでもよいのであれば、「ご多用」のほうが余計なトラブルが避けられます。
まとめ お忙しいとは思いますが~・お忙しいにもかかわらず~は、正しい敬語か?言い換えは?
今回は、「お忙しいところすみません・お忙しいとは思いますが~・お忙しいにもかかわらず~」について確認しました。どの敬語にも「お忙しい」という言葉が使われています。