化学が得意になるにはまず特定の物質の基礎的な情報を理解しておく必要があります。
中でも代表的な化学物質として「水酸化ナトリウム」がありますが「意外と覚えにくい物質」といえるでしょう。
ここでは、この水酸化ナトリウムに着目して「水酸化ナトリウムの電離式やイオン式や価数は?強塩基で何性か?水溶液のph計算方法」などについて解説していきますので、参考にしてみてください。
水酸化ナトリウムの電離式・価数・イオン式は?強塩基にも注目
それではまず、水酸化ナトリウムの電離式について確認していきましょう。
なお、水酸化ナトリウムの化学式についてはこちらで解説していますので、併せてチェックしてみてください♪
結論からいいますと水酸化ナトリウムの電離式・イオン式は
・NaOH → Na+ + OH– と表現されます。
※
なお、水酸化ナトリウムの電離式での電離度は「ほぼ1」とかなり高く「強塩基」です。
塩基としての価数とは「元の物質量に対するOH-を放出する物質量の比」を意味します。そのため、水酸化ナトリウムNAOHの価数は「1」となります。
水酸化ナトリウムを水に溶かす反応式は?
水酸化ナトリウムと水の反応(水に溶かす)としては、まさに上の電離式がこの反応式に相当します。
そのため上の水酸化ナトリウムの電離式を覚えておきましょう。
水酸化ナトリウムは何性か?→アルカリ性
上述の電離式からもわかるように、水酸化ナトリウムでは「OH– 」を多く放出します。
そのため水溶液はアルカリ性(塩基性)となるのです。
強塩基性(電離度も高い)と覚えておくようにしましょう。
水酸化ナトリウムのphの計算方法【例題】
水酸化ナトリウム水溶液の問題としてはph計算も頻出です。
0.1mol/Lの場合
例えば、水酸化ナトリウム水溶液0.1mol/Lの濃度のphを求めてみましょう。
前提としてph=-log[H+]、水のイオン積=[H+][OH–]=一定=1.0×10-14という公式を覚える必要があります。
その上で電離式(電離度ほぼ1として)を活用します。
上の水酸化ナトリウムの電離式より、放出する[OH–]の濃度も同じ0.1=1.0 × 10-1 mol/Lです。
そのため[H+]は1.0×10-14 ÷ 1.0 × 10-1= 1.0 × 10-13(指数計算での肩の数値の扱いに注意)となるわけです。
最後にph計算の公式ph=-log[H+]に入れると、水酸化ナトリウムのph=-log(1.0×10-13)=13と導出できます。
答えは水酸化ナトリウム水溶液0.1mol/Lの場合のph=13となります。
関連物質の
・水酸化ナトリウムの化学式・元素記号などの詳細はこちら
・水酸化カルシウムの電離式・価数・ph計算の仕方などの詳細はこちら
・水酸化バリウムの電離式・価数・ph計算の仕方などの詳細はこちら
で解説していますので、併せてチェックしてみてください。
まとめ 水酸化ナトリウムの価数・ph計算・イオン式・何性のまとめ
ここでは水酸化ナトリウムの電離式・価数・水溶液のph計算・イオン式・何性のまとめについて解説しました。
水酸化ナトリウムの各情報は覚えにくいため、この機会に理解しておくといいです。
水酸化ナトリウムを始めとしたさまざまな物質の知識を身に着け、もっと化学を楽しんでいきましょう。