ビジネスの場において、マナーを重視する人はとても多いです。
ビジネスマナーの中でも、とくに使い方が難しいものに「敬語」が挙げられます。
今回は「ご検討のほどよろしくお願いいたします・ご検討お願い申し上げます・ご検討お願いします」は正しい敬語なのか？言い換えは？について説明していきます。
ビジネスメールなどの参考にしてみてくださいね。
「ご検討のほどよろしくお願いいたします」は正しい敬語？言い換えは？
それでは以下で「ご検討のほどよろしくお願いいたします」が正しい敬語か？確認していきます。
結論として「ご検討のほどよろしくお願いいたします」は正しい敬語です。
「ご検討」は接頭辞「ご」を付けた尊敬語、「お(ご)～いたす」は「～する」という意味の謙譲語の型、「ます」は丁寧語です。
「ほど」は断定を避けて言葉を柔らかくする役割があり、相手に何かを依頼する際に使われます。
「ご検討のほどよろしくお願いいたします」は丁寧な言い方で、目上や社外の方やお客様にも使うことができます。
メールや手紙で何かを依頼した際の結び締め(文末)にも使います。
なお書く際ですが「よろしく」「いたします」のどちらも平仮名表記が正しいです。「宜しく」は常用漢字外のため間違いとは言えませんが、平仮名が一般的です。
「致す」は「届くようにする・至らせる・引き起こす」という意味で、「いたす」と意味が異なります。
「ほど」は「程」と書いてもどちらでも問題はありません。
例文
「恐れ入りますが本件の実施につきまして、ご検討のほどよろしくお願いいたします」
「上記につきまして、ご検討のほど何卒よろしくお願いいたします」
相手に何かを依頼する場合は、相手の状況に応じて「お忙しい中お手数ですが」「ご面倒をお掛けしますが」などのクッション言葉を使いましょう。
「何卒(なにとぞ)」は「どうか、ぜひとも」などの意味で、相手に強くお願いする際に言葉を柔らげることができます。
言い換え
「ご検討いただけますと幸いです」
「ご検討のほどよろしくお願い申し上げます」
「ご検討いただけますと幸いです」は「検討してもらえると嬉しいです」という意味の謙虚な言い方です。相手に強くお願いする必要のないときに使うと良いでしょう。
「ご検討のほどよろしくお願い申し上げます」はより丁寧な言い方です。口に出すとやや硬い言い方ですので、メールや手紙で使われることが多いです。
同じ文章内で連発するとわざとらしくなってしまいますので、「よろしくお願いいたします」と適度に使い分けましょう。
「ご検討お願い申し上げます」は正しい敬語？言い換えは？
続いて「ご検討お願い申し上げます」が正しい敬語か？について見ていきましょう。
結論からいいますと「ご検討お願い申し上げます」は一見意味が通じて正しい敬語のように思えますが、言葉が不十分なため敬語として使うことはありません。
敬語として主に使われるのは、以下の言い方です。
「ご検討のほどよろしくお願い申し上げます」
「ご検討くださいますようお願い申し上げます」
「ご検討賜りますようお願い申し上げます」
「ご検討のほどよろしくお願い申し上げます」は「ご検討のほどよろしくお願いいたします」より丁寧な言い方です。少し硬い言い方のため、かしこまった場面でのスピーチや手紙・メールなどで使われます。
「ご検討くださいますよう～」は「検討してくれるよう～」という意味で、「ご検討のほど～」よりさらに丁寧な言い方です。
「賜る」は「もらう」の謙譲語で、「いただく」より丁寧な敬語です。相手が目上の方の場合のみ使います。
「ご検討お願いします」は正しい敬語？言い換えは？
最後に「ご検討お願いします」が正しい敬語か？見ていきましょう。
「ご検討お願いします」も言葉が不十分ですので、敬語としては使いません。
「ご検討願います」であれば「ご(お)～願う」という型の謙譲語ですので、敬語として使うことができます。
ただ目上や社外の人に使う場合は丁寧さに欠けるため、上述したような以下のような言葉を使ったほうが良いでしょう。
「ご検討のほどよろしくお願いいたします」
「ご検討いただけますと幸いです」
「ご検討のほどよろしくお願い申し上げます」
まとめ 「ご検討お願い申し上げます・ご検討お願いします」は正しい敬語？言い換えは？【ビジネスメールなど】
ここではビジネスメールなどで使用される「ご検討のほどよろしくお願いいたします・ご検討お願い申し上げます・ご検討お願いします」」は正しい敬語？言い換えは？について説明してきました。
敬語は扱いが難しいため、この機会に覚えておくといいです。
様々な敬語を身に着け、ビジネスメール等で活用していきましょう。
