身近に生活していたり、技術的な職に就いていたりすると、単位変換を求められる場合が多くあります。
例えば、圧力や質量などの力に関係する単位としてMPa(メガパスカル)やkg/cm2(キログラム/平方センチメートル)が使用されることが多くあります。また、kg/cm2に似た単位としてkgf/cm2というものも見かけることがありますが、これらはどのように換算することができるのでしょうか。
ここでは、MPa(メガパスカル)、kg/cm2、kgf/cm2の違いや単位変換方法について解説していきます。
MPaとkg/cm2は変換できる?実際はkgf/cm2と換算可能
まず、圧力の単位で有名なPa(パスカル)について考えていきましょう。
このPaの定義として、1Paは単位面積(1m2)あたりに1Nの力がかかったときに圧力の単位とされています。
つまり、1m2の面積に2Nの力が加わると2Paとなるのです。そして、数式として表すと1Pa=1N/m2といった具合に表記できます。
次にMPa(メガパスカル)について考えてみましょう。今度はPaの前にM(メガ)が付いてますよね。このM(メガ)とは、10^6倍という意味を持つため、1MPa=10^6Paとなります。
一方で、実はkg/cm2という単位は従来は圧力の単位として使用されていますしたが、質量の単位kgと力の単位kgf(キログラム重)を区別して考えるようになりました。そのため、今ではMPaは圧力の単位、kg/cm2は単位面積当たりの質量の単位と別物であるため、直接変換はできないのです。
正確にには、MPaとkgf/cm2ならば、直接換算が可能です。
ここで、1N=約0.102kgfであり、1m2=10000cm2であることから、1MPa=1000000N/m2=102000kgf/10000cm2=約10.2kgf/cm2と換算できるのです。逆に、1kgf/cm2=約0.098MPaと計算することができるわけです。
両方ともややこしい単位であるため、導出方法を覚えておくといいです。
単位変換がわからなくなったときは、導出過程を考えるといい
今回考えたMPaとkgf/cm2(kg/cm2)のように、単位変換では式変形が何度か必要な場合もよくあります。
そして、結果だけ覚えようとしても、あまり使用する単位でなければ普通は忘れてしまうものです。
もし忘れたときにどうしようもなくならないようにするためには、上で解説した単位変換の過程をきちんと覚えておくようにしましょう。忘れたとしても自分で導出できるようになるからです。
ただ、元の構成単位である1m2=10000cm2などの基礎的な単位換算は覚えておかないと対処できなくなるので、ここは押さえておきましょう。
MPa(メガパスカル)とkgf/cm2(kg/cm2)の換算方法【計算問題】
それでは、MPaとkgf/cm2の扱いに慣れるためにも、実際に計算問題を解いてみましょう。
問題1
0.5MPaは何kgf/cm2に換算できるでしょうか。
解答1
上の計算式に従い求めていきます。
すると、0.5 × 10.2 =5.1kgf/cm2と計算することが可能です。
逆に、kgf/cm2からMPaへの変換も行っていきましょう。
問題2
30kgf/cm2は何MPaに換算できるでしょうか。
解答2
30 × 0.098 = 2.94MPa と求めることができました。
まとめ 1MPaは何kg/cm2?1kg/cm2は何MPa?
ここでは、圧力の単位であるMPa(メガパスカル)とkgf/cm2(キログラム重/平方センチメートル)の単位換算方法について解説しました。
従来はkg/cm2とも記載していましたが、今では質量のkgと力のkgfは区別しているため、MPaと直接変換できるのは、kgf/cm2であり、kg/cm2ではないことを理解しておきましょう。
結果としては、1MPa=約10.2kgf/cm2で、1kgf/cm2=約0.098MPaとなります。
単位換算になれ、科学をより楽しんでいきましょう。