電気的な分野の解析を行う際、専門用語が出てくることがよくあります。例えば、電気分野の専門知識として、電流密度や電流という言葉が出てくることがありますが、これらの意味や違いについて理解していますか。
ここでは、この電流密度と電流の違いや換算(変換)方法について、関連用語の断面積(電極面積)との関係も併せて解説していきます。
電流密度と電流の違いと変換(換算)方法【断面積(電極面積)との関係】
まず、電流とは単位時間(1sなど)あたりにおける電荷(電気量)の移動分を指します。
一方で、電流密度とはこの電流を電極面積(断面積)で割ったものといえ、単位面積あたりの電流値を指しているといえるわけです。以下のようなイメージです。
つまり、電流密度を計算式で表すと電流密度=電流値÷断面積(電極面積)というシンプルな式で求めることができるのです。
なお、電流密度の単位としては、基本的にA/cm2を使うことが多いのですが、これは単純に通電する際の面積がcm2オーダーであることがほとんどだからです。
このように、電流密度と電流値には違いがあるのです。
電流密度の計算の問題を解いていこう【電流と断面積からの換算(変換)】
それでは、電流密度と電流の違いや換算(変換)に慣れるためにも計算問題を解いていきましょう。
例題1
ある断面積が5cm2(平方センチメートル)の導線に電流値10Aを流したときの電流密度はいくらになるでしょうか。
解答1
上の電流密度と電流の換算(変換)式を用いて計算していきます。
10 ÷ 5 = 2A/cm2が電流密度となります。
逆に、電流密度から電流値への変換(換算)も行ってみましょう。
例題2
ある断面積(電極面積)が6cm2の導線に電流密度3A/cm2で通電したとします。このときの導線に流れる電流値はいくらになるのでしょうか。
解答2
上の式の逆の計算を行っていきます。
すると、6 × 3 = 18Aの電流が流れると計算できました。
まとめ 電流と電流密度の違いや断面積(電極面積)との関係:計算
ここでは、電流密度と電流の違いと計算方法について確認しました。
電流は単位時間あたりに対象の物質に流れる電荷の量といえ、電流密度はこの電流を断面積(電極面積)で割ったものといえます。
このとき、電極の面積はcm2オーダーであることが多いため、電流密度の単位にはA/cm2を使用するケースが多いです。
電流密度や電流といった電気的な用語の計算に慣れ、科学的な解析に役立てていきましょう。