化学が得意になるにはまず特定の物質の基礎的な情報を理解しておく必要があります。
中でも代表的な化学物質として「塩素」がありますが「意外と覚えにくい物質」といえるでしょう。
ここでは、この塩素に着目して「塩素の同位体・存在比は?存在の計算問題の解き方と答え」について解説していきますので、参考にしてみてください。
塩素の同位体や存在比は?
それでは塩素の同位体やその存在比について見ていきましょう。
塩素の同位体(安定同位体)としては、Cl35、Cl37の2つがあります。
そして各々の存在比は、Cl35:Cl37 = 約3:1です。
パーセントにすると前者が約75%、後者が約25%に相当するわけです。
塩素だけでなく同位体と似た言葉として「同素体」がありますが、大きな違いがあるため注意しましょう。
なお上の存在比から、塩素の原子量・分子量が導出される(以下の計算問題にて)ため、併せてチェックしてみてくださいね♪
塩素の同位体の存在比の計算問題
上述のよう塩素の同位体の存在比は計算問題としても出題されることもあります。
例題:
塩素は同位体として質量数が35のCl35と、質量数が37のCl37から構成されます。
各々の存在比が3:1の場合、その原子量はいくらになりますか?
この解答としては、単純に比率計算を行うといいです。
3:1は上述のようパーセント表示で75%、25%と変換できます。
よって、塩素の原子量= 35 × 0.75 + 37 × 0.25 = 26.25 + 9.25 = 35.5という答えになるわけです。
存在比を求める場合の問題
なお、原子量が予めわかっていて、その存在比を求めよう!というパターンもあります。
例題:
塩素の原子量は35.5とします。同位体として質量数が35のCl35と、質量数が37のCl37のみで構成されている場合の存在比を求めましょう。
この場合には、方程式を立て逆算をするだけでOKです。
Cl35の割合をx、Cl37の割合をyとします。
ここで
・35x + 37y = 35.5…①
・x + y = 1…②
という式が立てられます。
これを解けば同位体の存在比を計算できるわけですね。
②⇔ x=1-y…③
③を①に入れると、 35(1-y) + 37y = 35.5
⇔ 35 – 35y +37y= 35.5
⇔ 2y = 0.5
⇔ y = 0.25 より25パーセント存在します。xが75%と上の通りとなるのです。
まとめ 塩素の存在比・同位体は?計算方法も解説!
ここでは、塩素の同位体・存在比は?計算方法も解説!について解説しました。
塩素の同位体・存在比は?計算方法も解説!は覚えにくいため、この機会に理解しておくといいです。
塩素を始めとしたさまざまな物質の知識を身に着け、もっと化学を楽しんでいきましょう