この記事では「エクセルでのt分布の計算・グラフ作成方法」について、解説していきます。
エクセルでt分布を扱うにおいて、下記2点の観点から説明します。
・関数の使用方法とグラフ作成方法
・t分布表の作成方法
それでは、各場面において順番に説明していきます。
エクセルでのt分布の計算・グラフ作成方法
それでは以下でエクセルでのt分布の計算・グラフ作成方法について見ていきます。
下記サンプルデータで解説します。
本例ではXは-30~30を0.1刻みとしていますが、刻み幅とXの範囲を広げるとより精度が上がる半面、処理の負荷は大きくなります。
使用されるPCのスペックを考慮して調整しましょう。
次に自由度を列に書き出します。サンプルデータでは1,2,5,10を選択しています。
自由度がいくつになるかはその時次第となるので、状況に応じて変えていきましょう。
なお、サンプルデータでは書式設定で「自由度: n」と表示させています。
右クリックしてコンテキストメニューを開き、「セルの書式設定」を実行すると下記ダイアログが開きます。
「表示」タブを開き、分類で「ユーザー設定」を選択し、種類に「”自由度:” 0」と入力します。
この状態でOKボタンを押すと「自由度: n」と表示させることができます。
出力する列に数式「=T.DIST($A2, B$1,FALSE)」と入力します。
数式について解説します。
T.DIST関数は、エクセルで用意されたt分布を求める関数の1つであり、次のように入力します。
=T.DIST (X, 自由度, 関数形式)
それぞれシート上で用意した値を引数として与えます。
ENTERキーを押して数式を確定します。
全ての行と列に式をコピーして完成させましょう。
いくつかt分布作成時の注意事項を説明します。
Xについては「$○△」自由度N{1,2,5,10}については「○$△」とします。
相対参照のまま式をコピーすると想定している結果となりません。
また、自由度は1以上でなければなりません。
下記例は自由度0により計算が成立しない様子を示しています。
エクセルでのt分布のグラフの作成方法
次はt分布のグラフの作成方法について説明します。
最適なグラフの種類は「散布図」です。
リボンより「挿入」を選択し、赤枠で囲った箇所をクリックします。
「グラフの挿入」ダイアログで「すべてのグラフ」を開き、「散布図」を選択します。
なお、今回はマーカーがないものを選択しています。
OKボタンを押すと、グラフが描画されます。
「軸の書式設定」を調整して見やすくしましょう。
エクセルでの作成したt分布表
なお、エクセルにてt分布表を作成することも可能です。
自由度を縦、確率を横に並べ、出力先のセルに「=T.INV(1-B$1,$A2)」と入力します。
数式について解説します。
T.INV関数は次のように入力します。
=T.INV (確率, 自由度)
設定された自由度において、確率で指定したt値を計算します。
なお、T.INV関数について、厳密には「左側」の確率を計算するので、「右側」の確率を求めるには「1-確率」と入力する必要があります。
また、前項と同じく、複数のセルに数式をコピーするので、相対参照は避けましょう。
ENTERキーを押して、確定させます。
その後、他のセルにコピーして完成させます。
まとめ エクセルでのt分布の計算・グラフ作成方法
この記事では「エクセルでのt分布の計算・グラフ作成方法」について解説しました。
t分布は母集団の分散値が不明な時に使用される統計手法です。
概念として理解しにくいのは確かですが、使いこなせるようになればかなりの利点となるはずです。