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「お待ち申し上げております・お待ち申し上げます・お待ち申しております」は、正しい敬語か?言い換えは?

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ビジネスの場ではマナーを重視する人が多いです。

マナーの中でも特に使い方が難しいものに「敬語」が挙げられます。

ここでは、自分が待っていることを伝えるときの言葉である「お待ち申し上げております・お待ち申し上げます・お待ち申しております」について、正しい敬語なのか?言い換えは?について確認していきます。ビジネスメールなどで参考にしてみてくださいね。

「お待ち申し上げております」は正しい敬語か?言い換えは?

それでは以下で「お待ち申し上げております」が正しい敬語か?について確認していきます。

結論として「お待ち申し上げております」は、正しい敬語です。

「待つ」に接頭語をつけて「お待ち」とします。

通常「申し上げる」は、「言う」の謙譲語として使われます。

ただし、今回のように「お+動詞+申し上げます」と使われる場合は「言う」の意味は持ちません。「する」と考えましょう。下記の例文を見てください。

・お察し申し上げます。

・よろしくお願い申し上げます。

・暑中お見舞申し上げます。

などのように使います。定型文のように使われることが多いのが特徴です。

「おります」は、「いる」の謙譲語「おる」に丁寧語の「ます」をプラスした表現です。

ですから「お待ち申し上げております」は、簡単に言うと「まっているよ」の意味です。

 

例文

宿泊客「明日のチェックインは、20時を過ぎそうなんですが、大丈夫でしょうか?」

受 付「かしこまりました。お待ち申し上げております。」

一言付け加えて「心より、お待ち申し上げております。」や「楽しみにお待ち申し上げております。」とすると、更に相手に対する期待感が伝わります。

 

言い換え

・お待ち致しております。

 

「お待ち申し上げます」は正しい敬語か?言い換えは?

続いて「お待ち申し上げます」が正しい敬語か?チェックしていきます。

結論からいいますと「お待ち申し上げます」も、正しい敬語です。

上記の「お待ち申し上げております」と、何が違うのでしょうか?

違いは「おります」の有無です。

「おります」は「いる」+「ます」の謙譲表現ですから「おります」を文中に入れることにより、今も待っているというニュアンスが加わります。

「お帰りを、お待ち申し上げます」   →「帰ってくるのを、待つよ」

「お帰りを、お待ち申し上げております」→「帰ってくるのを、待っているよ」

神経質になる必要はありません。どちらも待っていることを敬語で伝える言葉です。

 

例文

運転手「明日は10時に駅で、お待ち申し上げます。」

社 長「ありがとう」

 

言い換え

・お待ちしています。

 

「お待ち申しております」は正しい敬語か?言い換えは?

最後に「お待ち申しております」が正しい敬語か?チェックしていきましょう。

結論からいいますと「お待ち申しております」は、正しい敬語です。

「お待ち申し上げております」と、何が違うのでしょうか。

意味は「待っているよ」で、どちらも同じです。

「申し上げる」は、謙譲語ですから、自分が一段下がって相手を立てる意味があります。

待つ相手に対して、自分はあなたよりも下ですよという意味が言葉に込められています。

それに対して「申す」は、丁重語です。丁重語は自分の動作を丁重に表現する働きがあります。丁重とは、礼儀正しく注意が行き届いた様を言います。相手を立てるという概念はありません。

「お待ち申しております」でも十分に伝わりますが、目上の人や上司には「お待ち申し上げております」のほうが、敬意の度合いが高く、相手を尊重していることが伝わります。

 

例文

檀家「明日の法要は10時に伺います。」

住職「お待ち申しております。」

 

言い換え

・お待ちしております。

 

まとめ 「お待ち申し上げます・お待ち申しております」は、正しい敬語か?言い換えは?

ここでは「」

2007年文化庁・文化審議会から「敬語の指針」が発表されました。

それまで敬語は、尊敬語・謙譲語・丁寧語の3つに分類されていましたが、新しく丁重語と美化語が加わりました。

丁重語は、謙譲語の一部でしたが謙譲語Ⅱとして、明確に分けられたのです。

丁重語は「自分側の行為・ものごとなどを、話や文章の相手に対して丁重に述べるもの」とされています。

主な例としては、下記のものがあります。

・参る  ・申す  ・いたす  ・おる

・拙書  ・小社

自分側の行為を慎み深く表現するという意味では、謙譲語と同じですから区別がつきにくいかもしれません。迷ったときには、謙譲語を使ったほうが無難でしょう。