ビジネスの場ではマナーを重視する人が多いです。
マナーの中でも特に使い方が難しいものに「敬語」が挙げられます。
ここでは相手からの連絡を待っている時に伝える言葉である「ご連絡お待ちしております・ご連絡いただければと存じます・ご連絡いただけますと幸いです」は、正しい敬語なのか?言い換えは?について確認していきますので、ビジネスメールなどで参考にしてみてくださいね。
「ご連絡お待ちしております」は正しい敬語か?言い換えは?
それでは以下で「ご連絡お待ちしております」が正しい敬語か?見ていきましょう。
結論として「ご連絡お待ちしております」は、正しい敬語です。
簡単に言うと、「連絡を待っているよ」ということです。
連絡の頭に「ご」がついた「ご連絡」は、相手の行為に対する尊敬の表現で、「お待ちしております」は、「待っている」の、謙譲表現です。
これらがつながっただけの表現が「ご連絡お待ちしております」であり、正しい敬語なわけです。
ビジネスのシーンでも、商談や会議の後、結論を持ち越す相手に対して返答を促す言葉として使われることが多々あります。この時に、「水曜日の午後の定例会議に間に合えばスムーズに話が進みます。」などと、さり気なく返答の期限を知らせておくと良いでしょう。
例文
先生「今日のレポートは、会議が終わったらゆっくり目を通させてもらうよ」
生徒「はい、ご連絡お待ちしております。よろしくお願いします。」
言い換え
・ご連絡をください
「ご連絡お待ちしております」は、文章の通り理解すると連絡を待っている状態で、相手の行動にまでは言及していません。必ず相手と連絡を取りたい場合は少し弱い表現です。どうしても連絡を取りたい場合には、「連絡をください。」と、ストレートかつシンプルに伝えるのが良いでしょう。
・ご連絡をお待ち申し上げます。
「ご連絡お待ちしております」よりも丁寧な言い方です。
「ご連絡いただければと存じます」が正しい敬語か?言い換えは?
今度は「ご連絡いただければと存じます」が正しい敬語か?チェックします。
結論として「ご連絡いただければと存じます」は、正しい敬語です。
連絡をする相手の行動に「ご」をつけて「ご連絡」として、尊敬の表現にしています。「いただく」は、「もらう」の謙譲語です。「存じる」は、「思う」「考える」の謙譲語です。
「ご連絡お待ちしております」よりも少し硬い表現なのでビジネスシーンには、こちらのほうがふさわしいといえます。
例文
編集者「先日の動画を13分にまとめてみました。」
依頼人「わかりました。」
編集者「修正がありましたら、ご連絡いただければと存じます。すぐに対応させていただきます。」
言い換え
・ご連絡いただきたく存じます。
・ご連絡いただけましたら助かります。
文頭に、「恐れ入りますが」「恐縮ですが」「申し訳ございませんが」などのクッション言葉を加えると、柔らかい表現になり好印象です。
「ご連絡いただけますと幸いです」は正しい敬語か?言い換えは?
さらには、「ご連絡いただけますと幸いです」が正しい敬語か?確認しましょう。
「ご連絡いただけますと幸いです」は、正しい敬語です。
上記の「ご連絡いただければと存じます」よりも文末を「幸いです」と締めくくるほうが、柔和な印象を受けます。
伝える相手に応じて、使い分けてみましょう。
例文
師匠「次回のお茶会には、中道堂の季節の和菓子を持ってきてちょうだいね。」
生徒「はい。日時と人数が決まりましたら、ご連絡いただけますと幸いです。店主に予約を入れておきます。」
相手に連絡をしてもらうという負担を依頼するので、「予約を入れる」という、理由も一緒に述べたほうが親切です。
言い換え
・ご連絡いただけましたら幸いです。
・お知らせいただけましたら幸いです。
・ご連絡のほど、よろしくお願いいたします。
・ご案内いただけますと幸いです。
まとめ 「ご連絡いただければと存じます・ご連絡いただけますと幸いです」は、正しい敬語か?言い換えは?
今回は「ご連絡」から始まる例文を確認しました。
いずれも謙譲表現でしたが、「いただく」の部分を「くださる」に変えて、尊敬の表現にすることも可能です。その場合は以下のようになります。
・ご連絡くださいましたら幸いです。
・ご連絡くださいますようお願い申し上げます。
表現は違いますが、同じ意味です。
さまざまな敬語を身につけ、日々の生活に役立てていきましょう。