この記事では、エクセルで1つのセルに入力されたデータを、カンマ区切りごとに複数のセルに分割して入力する方法を解説します。また、分割したセルを元に戻す方法も合わせて紹介します。
エクセルで1つのセルに入力されたデータをカンマ区切りで分割するには、
・セルの「区切り位置」を設定する
・「テキストファイルウィザード」を使用してデータを貼り付ける
といった方法があります。
それぞれの方法について、実際のサンプルを用いて見ていきましょう。
エクセルにてカンマ区切りでセルに分ける(分割)方法【区切り位置】
それでは以下でエクセルにてカンマ区切りでセル分割する方法について確認していきます。
以下は、とあるアンケートの回答結果です。今回は複数回答になっている問4(E列)を、2つのセルに分けたいと思います。
まず、分割したいセル(セル内にカンマを含むセル)を範囲選択します。
「データ」タブを開いて「区切り位置」を選択すると、区切り位置設定ウィザードが開きます。
「カンマやタブなどの区切り文字によってフィールドごとに区切られたデータ」を選択し、「次へ」を押してください。
2ページ目では区切り文字として認識する記号を選択することができます。
今回はデータがカンマで区切られているため、「カンマ」にチェックを入れてください。データのプレビューを見ると、該当セルの数字が2つに分割して表示されています。
今回は設定する必要がありませんが、「連続した区切り文字は1文字として扱う」にチェックを入れると、「1,,2,,3」→「1,2,3」のようにカンマの間に文字がない場合はスキップされます。チェックを入れない場合は、「1,(空白),2,(空白),3」のように、何も入力されていないカンマの間も1つのセル(空白のセル)として認識されます。
また、CSVファイルなど使用するデータによっては文字列に” ”,‘ ’といった引用符がついていることがあります。「文字列の引用符」を選択することで、自動的にデータから引用符を削除してくれます。
3ページ目は、分割後のセルの表示形式を設定することができます。データのプレビューから表示形式を変更したい列を選択し、変更したい表示設定を選んでください。一部不要な列があれば削除することもできます。
「完了」をクリックすると右隣の列(図の場合F列)に分割して増えた分のセルが追加されますが、今回のように罫線を引いている、既にデータがあるといった場合には、「コピーまたは移動先のセルを置き換えますか?」という確認メッセージが表示されます。既に別のデータが入力されている場合は、先に必要な分だけ空白の列を挿入しておきましょう。
E列に入力されていたデータを、E列,F列の2列に分割して入力することができました。
テキストやcsv貼り付け時にカンマ区切りでセル分割する方法【ペースト】
エクセルファイルをテキストファイルやCSVファイルに変換すると、各セルに入力されていた数値や文字は、カンマやスペース、タブといった特定の記号等で区切った状態で出力されます。
下図のテキストファイルは、最初に示したサンプルをCSVファイルに変換して、メモ帳で開いたものです。エクセルの状態と比べると、行ごとにカンマで区切った部分が1つ1つのセルと一致していることがわかります。
このデータをコピーしてそのまま貼り付けても、各行1列のデータと認識されるため、下図のように入力されてしまいます。
貼り付けた後に前述した区切り位置の設定を使用してセルを分割することもできますが、今回は貼り付ける段階で設定を変更して、最初からセルを分割した状態で貼り付ける方法を解説します。
貼り付けたいデータをコピーしたら、左側の「貼り付け」の下にある▼をクリックし、「テキストファイルウィザードを使用」を選択します。
テキストファイルウィザードの内容は、区切り位置設定ウィザードとほぼ同じです。
違いとしては、1ページ目に「取り込み開始行」と「元のファイル」という項目があります。
「取り込み開始行」はコピーしたデータを貼り付ける際の開始行数を選択できます。例えばこの数字を3に設定すると、1、2行目を省略し、3行目の「A,2,1,2,1,3」から貼り付けることができます。
「元のファイル」はコピーしたデータの言語を設定します。時折初期設定が別の言語になっていることがあるため、日本語になっているかチェックしてください。
あとは前述した区切り位置の設定と同様です。
コピーしたデータに使用されている区切り文字を選択し、分割後の各セルの表示形式を選択します。
カンマ区切りでセルを分割して、貼り付けることができました。
エクセルにてカンマ区切りでセル分割しない(分けない)方法【戻す:1つのセルに】
区切り位置の設定やテキストファイルウィザードを使用して分割したセルは、同様の設定で元に戻すことはできません。
そのため、一度分割したセルを再び1つのセルに戻すためには、CONCATENATE関数を使用します。
CONCATENATE関数は複数のセルを結合する数式で、
=CONCATENATE(文字列1,文字列2,[文字列3],….)
の形でセルに入力します。
文字列の部分に、結合したいセルを順番に入力していきます。また、セルの代わりに数値や””で囲んだ文字列を入力することもできます。
図のように=CONCATENATE(E3,”,”,F3)と入力すると「“E3の内容”+“,”+“F3の内容”」=「1,3」と表示されます。
あとはG3のセルの右下をクリックしたまま引っ張る(ドラッグ&ドロップする)ことで、各行のE列、F列を結合して表示することができます。
問4の2つのアンケート結果を、再び1つにまとめることができました。
なお、CONCATENATE関数や&演算子にて結合できない原因と対策は以下で解説のため、併せてチェックしてみてくださいね。
まとめ エクセルにてカンマ区切りでセルに分ける・分割しない方法
この記事では、エクセルのデータをカンマ区切りで複数のセルに分割する方法、分割したセルを元に戻す方法を開設しました。
エクセルのデータをカンマ区切りで分割するには、「セルの「区切り位置」を設定する」「テキストファイルウィザードを使用してデータを貼り付ける」といった方法があります。
また、分割セルを元に戻すにはCONCATENATE関数を使用すると、簡単にセルどうしを結合することができます。
エクセルの様々な処理を理解し、業務に役立てていきましょう。