科学的な解析を行う際や数学を解くときなどに、よく対数の計算が必要となることが多いです。
中でも、自然対数(ln:読み方エルエヌ)と常用対数(log10:ログ10)の変換(換算)が求められるケースが比較的多いですが、この対処方法について理解していますか。
ここでは、自然対数(ln)と常用対数(log10)の変換方法について計算問題を交えていき説していきます。
自然対数(ln)と常用対数(log10)の換算(変換)方法【2.303と対数計算】
まず、自然対数とは記号lnで記載する対数であり、読み方はエルエヌと呼ぶことが基本です。稀にロンと読む方がいますがエルエヌの方が汎用性が高いため、こちらを覚えておくといいです。
そして、この自然対数の底はe(ネイピア数:2.718・・・)のことを指しています。
一方で、常用対数は記号log10と記載されることからもわかるように、底が10である対数のことを表しているのです。ちなみにこちらの常用対数の読み方はログ10です。
そして、自然対数(ln)と常用対数(log10)を換算するためには、対数の底の変換公式を使用していきます。具体的には、log a(b)=log c (b)/log c (a)というものです。
ここで、aが10、bをx、cをネイピア数(e)とすると、ln(x)=ln(10) log10(x)=2.303log10(x)と換算できるのです。
逆に、常用対数基準で考えるのであれば、log10(x)=ln(x)÷2.303 と計算できるわけです。
となるのです。
自然対数(ln)と常用対数(log10)の換算(変換)の計算問題
それでは、自然対数と常用対数の扱いに慣れるためにも、問題を解いていきましょう。
例題1
自然対数ln(2)の数値をlog10(2)から変換することで求めていきましょう。このとき、log10(2)=0.3010を活用していきます。
解答1
上のlnとlog10の換算式を元に計算してみましょう。
0.3010 × 2.303 ≒ 0.6932 と求めることができました。
逆に、常用対数から自然対数への変換も行ってみましょう。
例題2
常用対数log10(5)の数値をln(5)から変換することで求めていきましょう。このとき、ln(5)=1.609を活用していきます。
解答2
こちらも上のエルエヌとログ10の換算式に従い計算していきます。
すると、1.609 ÷ 2.303 ≒ 0.6987と変換できました。
まとめ 常用対数と自然対数の変換(換算)方法【2.303】
ここでは、常用対数log10と自然対数lnの変換方法について確認しました。
・ln(x)=2.303 log10(x)
・log10(x)= logn(x)÷2.303
と換算できることを覚えておくといいです。
対数計算に慣れ、科学の解析等に活かしていきましょう。