この記事では「エクセルとデータベースの違い使い分け」について、解説していきます。
前提として、エクセルは表計算ソフトで、データベースソフト(Microsoft Accessなど)は他にあるということを示しておきます。
しかし、エクセルにはデータベースの機能も備わっていて、データベースソフトに比べ、操作が容易かつ自由度が高いということもあります。
こういったことで、エクセルをデータベースとして使用しているところは少なくないのではないでしょうか。
ただ、大量のデータを扱うにはやはり専用のデータベースソフトを使う必要があり、ここではその違いや使い分けについて、徹底解説します。
なお、結論としては
・エクセルでは動かなくなるレベルの大量のデータを扱う際には、アクセスなどのデータベースソフトを使うのが好ましい
・データ量が少ない(エクセルで快適に動くレベル)場合には、よほどのことがない限りエクセルの使用がおすすめ。やはり操作性がエクセルの方が高いためです。
です。
それでは詳細を見ていきましょう。
エクセルとデータベースの違いと使い分け【データ量】
ここでは「データ量」に焦点を当てて、エクセルとデータベースの違いや使い分けについて説明します。
簡潔にいいますと、
データ量が多い場合、エクセルの使用はNGです。
逆に、データ量がそれほど多くないなら、利便性を考えて、エクセルの使用が望ましい
です。
理由を以下に記載します(データベースソフトの例としてアクセスを使用)。
・エクセルでは、データ量が多くなると、ファイル容量が極端に重くなる。
・エクセルでは、セル幅を超える語句を入れると、表示されなくなる。
・エクセルでは、セル幅を広くすると、表全体が画面に入りきらなくなる。
・エクセルでは、フィールド(列)が多いと、画面に入りきらなくなる。
・アクセスでは、単票で表示できるため、1レコード(行)を画面内に表示できる。
・アクセスでは、データベースを分けて、簡単にリレーションをかけられる。
・アクセスでは、リレーションをかけた複数のデータベースでも、必要なフィールドだけを取り出し、1つの表として出力できる(出力先はエクセルでもOK)。
以上のことから、表全体の横幅が画面の幅を大きく超えていたり、レコードが大量にある場合には、エクセルを使用せず、データベースソフトにしましょう。
ただ、データ数がそれほど多くない場合(一般的にはこちらのケースがほとんどかと)では、やはりエクセルを使用するのがおすすめです。
汎用性が高く、直観的な操作が実行しやすいためですね。
【エクセル】シート
【アクセス】テーブル
【アクセス】フォーム(単票)
エクセルとデータベースの違いと使い分け【入力ミス】
続いて「入力ミス」に焦点を当てて、エクセルとデータベースの違いや使い分けについて説明します。
入力ミスは、エクセルでもデータベースソフトでも起こる可能性がありますが、エクセルでしか起こりえない事例を紹介します。
【エクセル】事例
エクセルで、元々入力されていたデータを消去する際、セルを削除。それによって、同じ列にある以降のデータが上にずれてしまいました。
他の列はそのままなので、削除したセル以降のレコードに間違えが生じてしまいました。
セルの削除をした項目が住所なら、DM送付の際に大変な問題となりそうです。また、電話番号なら、間違え電話の連続になりますね。
データベースソフトでは、行単位又は列単位でしか削除ができないので、こういったことは起こりません。間違えて行を削除しても、1つのレコードが消えるだけです。
【エクセル】セルの削除前
【エクセル】セルの削除後(セルF4を削除)
逆に、エクセルの良い面として、間違えを減らすのが可能な場合もあります。
例えば、2人以上の人が同じデータを入力し、相違がないかチェックすることが容易にできたりします。
【エクセル】1人目の入力
【エクセル】2人目の入力
【エクセル】チェック
以上のことから、データベースの入力や編集の際は、エクセルとデータベースの良い面をいいとこどりして作業するのが理想だと思います。
エクセルとデータベースの違いと使い分け3【使いやすさ】
最後に「使いやすさ」に焦点を当てて、エクセルとデータベースの違いや使い分けについて説明します。
使いやすさで言えば、エクセルをデータべースとして使用する方が簡単です。
データベースソフトにあまりなじみのない人がたくさんいるのに対し、エクセルは、大抵の会社で使用されているので、当然と言えば当然です。
以下に、個人的な印象を記載しますので、参考にしていただければと思います。
項目 | エクセル | データベースソフト |
コピーペースト | ◎(自由にコピペ可) | 〇(データ型が違えば不可) |
入力 | ◎(自由に入力可) | ○(データ型が違えば不可) |
表示 | ○(画面から出ることも) | ◎(フォームを変えられる) |
計算 | ◎(自由に計算可) | △(計算させるのが難しい) |
カスタマイズ性 | ◎(自由に書式変更) | △(設定の変更が手間) |
結論として
・エクセルでは動かなくなるレベルの大量のデータを扱う際には、アクセスなどのデータベースソフトを使うのが好ましい
・データ量が少ない(エクセルで快適に動くレベル)場合には、よほどのことがない限りエクセルの使用がおすすめ。やはり操作性がエクセルの方が高いためです。
まとめ エクセルとデータベースの違いや使い分けを徹底解説!
この記事では「エクセルとデータベースの違いや使い分け」について解説しました。
エクセルもデータベースソフトも一長一短あるので、用途によって使い分けるのが望ましいですね。
例えば、以下のような運用で、両方の長所をある程度生かせるのではないでしょうか。
・入力はエクセル(ダブルエントリーなどで正確なデータにする)
↓
・エクセルで入力したデータをデータベースソフトに組み込む
↓
・データベースソフトから必要なデータだけエクセルに出力
↓
・エクセルに出力したデータを編集(計算・グラフ化・資料化)
その他、いろいろな使い分けがあると思いますので、実際に試していただければと思います。
最後まで、ありがとうございました。