科学的な解析を行う際には、各専門用語について理解しておかないと対処できないケースが多いといえます。
例えば、伝熱(熱伝導)に関係する用語として、「熱抵抗」というものがありますがこの詳細についてきちんと理解していますか。
ここでは、熱抵抗の考え方や熱伝導率(熱伝導度)との関係、その単位や計算方法について解説していきます。
熱抵抗の計算式や熱伝導度や面積(伝熱面積)、厚みとの関係【熱抵抗の単位は?】
伝熱(熱伝導)における熱抵抗とは、簡単にいうと「熱の伝わりにくさ」を表しており、熱抵抗が大きいほど熱を伝えにく物質であることを意味しています。
逆に、熱抵抗が小さければ、熱を伝えやすい物質であることを意味しているわけなのです。
そして、熱抵抗は熱伝導率と伝熱面積(面積)と厚みと関係があり、熱抵抗=厚み÷(面積×熱伝導率)で導出することができるのです。
熱抵抗の単位は上の計算式を見るとわかりますが、K/Wという単位になります。これは、熱伝導率の単位がW/(m・K)、厚みの単位がm、面積の単位がm2であることから求めていくことで導出できるわけです。
これが熱抵抗の考え方といえます。
熱抵抗と熱伝導率、面積、厚みの計算を行ってみよう【変換(換算)の問題】
それでは、熱抵抗の計算式や、熱伝導率、面積、厚み等の換算(変換)の扱いに慣れるためにも計算問題を解いていきましょう。
例題1
熱伝導率が500W/(m・K)であり、面積(伝熱面積)が0.8m2であり、かつ厚みが20cm(0.02m)である材料の熱抵抗と求めていきましょう。
解答1
上の熱抵抗の計算式を元に算出していきます。
熱抵抗R=0.02 /(500 × 0.8)=0.00005 W/Kと変換することができるのです。
逆に厚みや伝熱面積、熱抵抗から以下の材料の熱伝導率を計算していってみましょう。
例題2
ある材質の厚みは0.004mであり、伝熱面積は10m2、熱抵抗は0.00008W/Kです。このときの熱伝導率(熱伝導度)はいくらと計算できるでしょうか。
解答2
0.00008=0.004 ÷(10×熱伝導率)の式より、逆算すると熱伝導率=0.0005 ÷ 0.00008=4W/(m・K)と熱抵抗から熱伝導率を計算することができました。
まとめ 熱伝導率の意味・単位・熱抵抗との違い・変換方法【伝熱の考え方】
ここでは、熱抵抗の考え方とその単位、熱伝導率、面積、厚みとの変換方法について確認しました。
熱抵抗の公式=厚み/(面積×熱伝導率)で計算することができます。そして、この熱抵抗の単位はK/Wとなります。
科学的な専門用語を理解し、業務に役立てていきましょう。