よくリチウムイオン電池などの学術分野において、Ah(アンペアアワー)やmAh(ミリアンペアアワー)やWh(ワットアワー)といった単位を見かけます。
ただ、これらはどれも良く似ており、その違いや変換(換算)方法がわからない人が多くいるといえます。実際これらはどのように換算するといいのでしょうか。
以下で、Ah(アンペアアワー)、mAh(ミリアンペアアワー)、Wh(ワットアワー)の変換(換算)方法について確認していきます。
Ah(アンペアアワー)とmAh(ミリアンペアアワー)の違いと換算(変換)方法
まず、Ah(アンペアアワー)もmAh(ミリアンペアアワー)もどちらも電気量の単位といえます。
電流値のA(アンペア)やmA(ミリアンペア)とは違うことを認識しておくといいです。
ここで、Ahとは上述のよう電気量の単位であり、1Ahは1Aの一定値で1h(時間)通電したときの電気量といえます。なお、1Ahは0.5Aで2h(時間)通電した電気量などとも記載することができます。つまりXAh=YA × Zhと換算できるのです。
そして、このAh(アンペアアワー)に1/1000を表す接頭語のm(ミリ)が付いたものがmAh(ミリアンペアアワー)といえます。
つまり、1Ahは1000mAhと換算できるわけです。
逆に、mAhからAhに変換する場合では、1mAh=0.001Ahと換算できるといえます。
続いて、AhとWhの換算について考えていきましょう。
Ah(アンペアアワー)とWh(ワットアワー:ワット時定格量)の変換(換算)方法
一方で、Wh(ワットアワー)という量は電気量ではなく、仕事量の単位といえます。電池分野の言い方では、ワット時定格量などとも呼びます。
そして、電気量Ahに電圧VをかけたものがWh(ワットアワー)と呼ばれる単位となるわけです。
つまり、XAh × YV = XWhという変換式が成立するといえます。
Ah(アンペアアワー)とWh(ワットアワー)の換算(変換)の計算問題を解いてみよう
それでは、AhとWhの変換に慣れるためにも、計算問題を解いていきましょう。
例題1
あるリチウムイオン電池の平均作動電圧は3Vです。この電池の容量が2Ahであるとき、何Whではいくらに変換できるでしょうか。
解答1
上の計算式に従い求めていきます。
2Ah × 3V = 6Whと計算することができました。逆にWhからAhに変換するのであれば、Whの数値を電圧で割ることで求められます。
mAh(ミリアンペアアワー)とWh(ワットアワー:ワット時定格量)の変換(換算)方法
さらに、mAh(ミリアンペアアワー)からWh(ワット時定格量)への換算も行っていきましょう。
上にて、AhにVをかけたものがWh(ワットアワー)となることを記載しました。このとき、1Ah=1000mAhであることを考慮すると、XmAh ÷ 1000mAh/Ah ×YV = ZWhと換算できるといえます。
mAhからWhへの変換の計算問題を解いてみよう
それでは、mAhからWhへの換算の問題を解いてみましょう。
・例題
あるリチウムイオン電池の容量は8000mAhです。平均作動電圧が3.2Vのとき、何Whに変換できるのでしょうか。
・解答
上のmAhとWhの換算の公式に基づき、計算していきます。
すると、8000÷1000×3.2 = 25.6Whと換算することができました。
まとめ Aアンペアアワーとミリアンペアアワーとワットアワーの変換方法と違い【1Ahは何mAhや何whか?】
ここでは、mAhとAhとWhの違いや各々の換算方法について確認しました。
特に最近では、リチウムイオン電池の飛行機機内持ち込みなどの制限にこの計算が必要となることがあります。そのため、適切に計算方法について理解しておくといいです。
各電気的な単位の扱いに慣れ、日常生活に役立てていきましょう。